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試用期間満了による本採用拒否を検討する際、会社側がとるべき対応。注意点。

就業規則
松林 大樹コステム社会保険労務士事務所 代表

社会保険労務士・ PHP研究所認定チームコーチ。厚生労働省や都道府県等のホワイト企業認定マーク取得、㈱ワーク・ライフバランス認定「働き方見直しコンサルティング」、クラウド勤怠管理システム導入など採用力・定着力向上のための働きやすい職場環境づくりを支援している。講演実績としてアサヒビール(株)、コクヨ(株)、(株)デンソーセールス、農林水産省など。石川県金沢市のコステム社会保険労務士事務所の代表を務める。 プロフィールはこちら https://www.costem-sr.jp/about/profile

試用期間の満了日が近づき、本採用拒否を検討する際、会社側はどのように対応すべきでしょうか。
本採用拒否の理由は、該当者の行動や発言等さまざまですが、会社側にとっては、正確かつ適切な対応が求められます。
そこで、この記事では、具体的な本採用拒否の問題の特定方法や、就業規則上の確認ポイント、
そして試用期間の延長や本採用拒否の際に必要となる書類の確認方法について解説します。

具体的な本採用ができない問題の行動、発言等を確認する。

会社が本採用をしないこと(本採用拒否)は、法的には「解雇」をしたものと同様に扱われるため、それ相当の理由が必要になります。
期待して採用した従業員の何が問題なのか?を具体的に整理する必要があります。

・どんな行動や、発言が問題なのか?
・それはいつの話か?
・その行動や発言を確認している人は他にいるか?
・その行動や発言に対して、会社はどんな対応をとったか?
・再教育や配置転換などを考慮したか?

就業規則の試用期間延長、本採用拒否の規定の内容を確認する。

試用期間の長さ、延長の有無、本採用の基準などを就業規則に規定し、その規定に沿って運用をします。
そのために、まずはその従業員に適用される就業規則を確認し、

試用期間がどういった内容か?
試用期間の延長は可能なのか?どれくらいまで可能なのか?
本採用の基準はどういった基準なのか?を確認する必要があります。

会社側の対応として、試用期間の延長か、本採用拒否を検討する。

対象の従業員を本採用できないと考えている場合の対応として、試用期間の延長か、本採用拒否かの2つの選択肢が考えらえます。
もう少し様子をみて、教育などで改善できそうな期待が持てそうなのか?など関係者と話をし、就業規則を確認しながら、会社側の対応を検討します。

試用期間14日を経過した場合の本採用拒否は、30日前の予告か解雇予告手当の支払が必要。

仮に本採用拒否を選択した場合、試用期間満了日で拒否できると勘違いしているケースがあります。
試用期間14日を超えてから、本採用拒否をする場合は、解雇と同じく本採用拒否の30日前の予告か、解雇予告手当の支払が必要になります。

本採用拒否の場合、本採用拒否通知書(試用期間満了通知書)を準備する。

本採用拒否を選択し、従業員と面談する際、問題となった事案や、本採用拒否を判断した理由を説明するために、口頭だけではなく、書面に起こし、説明することが求められます。
できれば、説明し、理解してもらった日付と自署もあることが理想的です。

試用期間満了日の前に、本人に通知する。

試用期間中、対応をどうするか迷い、結果、試用期間を過ぎてしまっているケースもあります。
これは、実質的には本採用が認められたと判断される可能性もあり、注意が必要です。
試用期間満了後の対応は、出来るだけ早期に判断し、行動することが求められます。

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