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従業員データの管理について。目的は?どんな情報を収集すべき?

社会保険手続
松林 大樹コステム社会保険労務士事務所 代表

社会保険労務士・ PHP研究所認定チームコーチ。厚生労働省や都道府県等のホワイト企業認定マーク取得、㈱ワーク・ライフバランス認定「働き方見直しコンサルティング」、クラウド勤怠管理システム導入など採用力・定着力向上のための働きやすい職場環境づくりを支援している。講演実績としてアサヒビール(株)、コクヨ(株)、(株)デンソーセールス、農林水産省など。石川県金沢市のコステム社会保険労務士事務所の代表を務める。 プロフィールはこちら https://www.costem-sr.jp/about/profile

近年、働き方の多様化や雇用の流動化が進み、ひと昔前に比べ、企業の人材育成や給与処遇などの様々な問題が発生しています。
これらの問題に対処するための重要な課題の一つに、正確な従業員データの収集・管理があります。
このデータは、人材育成や給与処遇の問題解決に役立つばかりでなく、適切な人材配置にも繋がります。
本記事では、従業員データの収集・管理の意味や重要性に加えて、どのような情報を収集・管理すべきかについても説明します。

従業員データ管理とは?従業員データを会社が管理した方がいい理由

従業員データ管理とは、経営資源である「ヒト」に関する情報を管理し、人材育成、人材配置、人事評価、労務管理、退職金計算など人材活用に関する様々な施策に役立てることを目的とします。
よく中小企業では、管理が不十分なこともあり、人事の登用時に過去の情報を十分に把握できなかったり、管理職が入れ替わることで従来の評価や情報が不明で誤ったマネジメントを行ったりする危険性もあります。

どんな情報を収集・管理すべきなのか?

従業員データ管理として、どのような情報を収集・管理すべきかを整理します。

  1. 氏名
  2. 生年月日
  3. 性別
  4. 現住所
  5. 住民票住所
  6. 職務内容の履歴
    仕事内容の履歴を管理しておくことで、配置転換やマネジメントに役立ちます。
  7. 雇用年月日
    グループ会社等に転籍があった場合などで、有給休暇の取得日数や退職金の金額など勤続年数を通算する場合には、グループ会社全体で雇用を開始した年月日の記録も必要です。
  8. 退職年月日
  9. 退職事由
  10. (退職事由が死亡の場合)死亡年月日
  11. (退職事由が死亡の場合)死亡原因
  12. 出向情報の履歴
  13. 転籍情報の履歴
  14. 休業・休職の事由と履歴
  15. 雇用区分の履歴
    雇用区分とは、正社員やパートタイマーなどの区分のことです。
    同一の雇用区分ではなく、例えば、パートタイマーから正社員に転換した従業員などは、
    その履歴を管理します。
  16. 所属部署の履歴
  17. 職位の履歴
  18. 表彰の履歴
  19. 懲戒の履歴
  20. 研修受講の履歴
  21. (人事評価制度があれば)人事評価の履歴
  22. 保有資格・スキル

労働基準法で義務づけられている従業員データとは?

労働基準法で、
A. 労働者名簿
B.賃金台帳
C.出勤簿(タイムカード)
D.有給休暇管理簿 が義務付けられています。

Aの労働者名簿で必要な情報は、①から⑪の情報です。
Bは給与計算ソフトを用いて必要情報を管理し、
CとDは勤怠管理システムを用いて管理することで、効率よくデータを管理することができます。

従業員データを管理するには?

色々なソフトがあります。
中小企業では、Excelで管理している会社も少なくないと思われますが、検索のしにくさなどもあり、弊所では、サイボウズ社のkintoneでの管理を推奨しています。

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