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部下からパワハラと言われない指導方法

ハラスメント
松林 大樹コステム社会保険労務士事務所 代表

社会保険労務士・ PHP研究所認定チームコーチ。厚生労働省や都道府県等のホワイト企業認定マーク取得、㈱ワーク・ライフバランス認定「働き方見直しコンサルティング」、クラウド勤怠管理システム導入など採用力・定着力向上のための働きやすい職場環境づくりを支援している。講演実績としてアサヒビール(株)、コクヨ(株)、(株)デンソーセールス、農林水産省など。石川県金沢市のコステム社会保険労務士事務所の代表を務める。 プロフィールはこちら https://www.costem-sr.jp/about/profile

部下からパワハラを指摘されることは、管理職としてのキャリアに深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
そのような事態を防ぐために、簡単に行えるいくつかのステップがあります。
この記事では、パワハラかどうかの判断基準、パワハラの事例、何かあれば部下からパワハラだと言われやすい時代背景を説明し、パワハラだと言われない指導方法を提案します。

部下からパワハラを指摘されたら?

  1. 出来る限り要件を整理することをお勧めします。
    ・いつ
    ・どこで
    ・何を言った。何をした。ことを指摘されているか。
    ・それを証明する第3者の存在
    ・それ以前の部下との関係
    ・直近の出来事   など
  2. 早急に会社に報告をする。
    ・部下の誰から、いつ指摘されたか?
    ・1の内容

パワハラかどうかの判断基準

パワハラとは、
①優越的な関係を背景とした言動であって、
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③労働者の就業環境が害されるもの(身体的・精神的苦痛を与えること)の3つの要素全てを満たすものとされています。

出来事を総合的に判断し、一般的にみて、適正な範囲を超えていたかで、パワハラに該当するのか?を判断します。

パワハラの事例

そして、パワハラは、大きくわけて6分類に分類されます。

パターン
脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言上司が部下に対して、人格を否定するような発言をする。
暴行・傷害上司が部下に対して、殴打、足蹴りをする。
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害上司が部下に対して、長期間にわたる肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命じる。
隔離・仲間外し・無視自身の意に沿わない社員に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりする。
業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと上司が管理職である部下を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる。
私的なことに過度に立ち入ること思想・信条を理由とし、集団で同僚一人に対して、職場内外で継続的に監視したり、他の社員と接触しないよう働きかけたり、私物の写真撮影をしたりする。

何かあれば部下からパワハラだと言われやすい時代背景

  1. 人手不足
    どの業種も、人手不足で、求職者有利な時代が続いていて、以前に比べ、一般職の従業員の立場が強くなっていると言われています。
  2. パワハラ防止法
    パワハラ防止法が中小企業でも施行され、インターネットやテレビニュースで取り上げられ、ハラスメント、パワハラという言葉が身近になり、インターネットの普及で、労働法や、ハラスメントの情報を一般の労働者でも得やすい時代になりました。
  3. 働き方改革によるコミュニケーション不足
    労働時間の上限規制や有給休暇の取得、生産性の向上など業務にゆとりがなくなり、業務以外のコミュニケーションがとりづらくなったと言われています。
  4. 勘違い
    ニュースやインターネットを見て、被害者がハラスメントだと思えば、全てハラスメントになると誤解している。

パワハラだと言われない指導方法

  • 一つのミスを、しつこく、何度も、長時間指導しない。
  • 言葉づかいに注意する。
    NGワード:「お前」「馬鹿野郎」「無能」
  • 昭和・平成・令和で指導方法が違うことを理解する。
    昔、自分が部下だったときは●●だった。と過去のやり方に固執しない。
  • 基本的な傾聴スキルを身につける。
    信頼関係を築くためにも、傾聴スキルを身につけ、日頃から部下の話に耳を傾ける姿勢を持ちましょう。
  • 部下の成長にために、具体的に何が欠けているのか?原因と対処方法を上司である自分も考える。ただ叱って終わりにしない。

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