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副業・兼業導入のために、会社に求められる対応方法を解説

就業規則
松林 大樹コステム社会保険労務士事務所 代表

社会保険労務士・ PHP研究所認定チームコーチ。厚生労働省や都道府県等のホワイト企業認定マーク取得、㈱ワーク・ライフバランス認定「働き方見直しコンサルティング」、クラウド勤怠管理システム導入など採用力・定着力向上のための働きやすい職場環境づくりを支援している。講演実績としてアサヒビール(株)、コクヨ(株)、(株)デンソーセールス、農林水産省など。石川県金沢市のコステム社会保険労務士事務所の代表を務める。 プロフィールはこちら https://www.costem-sr.jp/about/profile

副業・兼業の導入が近年注目されていますが、会社側もなかなか認めるのは難しいものです。
本記事では、副業・兼業の導入に向けて会社が求められる対応方法を解説します。
まず、関連する法規制や副業・兼業を認める会社のメリット、そしてデメリットについて解説します。次に、副業・兼業を認める会社が取るべき対応方法について、実践的なアドバイスを交えながら詳しく説明します。
副業・兼業の導入を検討している会社の方は、ぜひご一読ください。

副業・兼業に関連する法規制

労基法第38条労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用について通算する。と規定されています。

副業・兼業の会社側のメリット

副業・兼業を会社が認めるメリットとして、以下のことがあげられます。

1.従業員が社内では得ることができない知識・スキルを副業・兼業先で得ることが出来る。結果、本業でその知識・スキルが活き、生産性が向上する。
2.優秀な従業員の流出を防ぐことが出来る。
3.社外から新たな知識・情報や人脈を持った人材を入れることで、社内の活性化や事業の拡大に繋がる。

副業・兼業を会社が認めることで生じるデメリット

1.秘密が漏洩しない体制を整える必要がある。
2.働き過ぎを防ぐための管理体制を整える必要がある。
労働時間管理が煩雑に。
3.自社の競業先で副業・兼業したり、自社で知り得た業務上の秘密情報を活用されることで、自社の利益を損ねる可能性がある。
4.就業規則の見直しが必要。

副業・兼業の制度導入に向けて会社に求められる対応方法

1.就業規則や書式の整備
副業・兼業を行いたい従業員からの申請の方法や、認められる場合・認められない場合などをルール化します。

2.自社の従業員が副業・兼業を行う場合に、1ケ月何時間まで副業・兼業が可能かを決めます。
①自社の時間外時間と副業・兼業先の労働時間を合算して、1ヶ月100時間未満、2~6ヶ月平均して80時間未満にする必要があります。
②自社の36協定の上限時間を確認し、①の範囲内で上限時間を決めます。

3.自社に、副業・兼業の従業員を入社する場合の労働時間の確認方法を決めます。
①本業の会社での労働条件を確認します。
 ・雇用期間
 ・業務内容
 ・所定労働時間
 ・所定労働日数
 ・時間外労働時間
 ・適用される36協定の上限時間数
②①により自社で何時間働いたら割増賃金の支払が必要になるかを確認します。
③問題なければ、労働時間方法の確認と、雇用契約を締結します。

厚生労働省モデルイメージ

(出典)厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」

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