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パワハラを防止するために、会社はどのような対策をとればよいのでしょうか?

ハラスメント
松林 大樹コステム社会保険労務士事務所 代表

社会保険労務士・ PHP研究所認定チームコーチ。厚生労働省や都道府県等のホワイト企業認定マーク取得、㈱ワーク・ライフバランス認定「働き方見直しコンサルティング」、クラウド勤怠管理システム導入など採用力・定着力向上のための働きやすい職場環境づくりを支援している。講演実績としてアサヒビール(株)、コクヨ(株)、(株)デンソーセールス、農林水産省など。石川県金沢市のコステム社会保険労務士事務所の代表を務める。 プロフィールはこちら https://www.costem-sr.jp/about/profile

パワハラは、職場で顕在化している問題であり、企業はその防止に必要な措置を講じる必要があります。
この記事では、パワハラとは何か、パワハラが増加している背景、会社に与える悪影響、パワハラを防止・管理するために会社がとるべき対策について説明します。

パワハラの定義とは?

パワハラは、大きくわけて6分類に分類されます。

パターン
脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言上司が部下に対して、人格を否定するような発言をする。
暴行・傷害上司が部下に対して、殴打、足蹴りをする。
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害上司が部下に対して、長期間にわたる肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命じる。
隔離・仲間外し・無視自身の意に沿わない社員に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりする。
業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと上司が管理職である部下を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる。
私的なことに過度に立ち入ること思想・信条を理由とし、集団で同僚一人に対して、職場内外で継続的に監視したり、他の社員と接触しないよう働きかけたり、私物の写真撮影をしたりする。

パワハラが発生しやすくなっている背景

  • 不景気
    景気がよくないため、時間をかけても成績があがらないため、精神的、肉体的に圧力をかけられることが増えてきました。
  • インターネットの普及
    インターネットの普及によって価格競争が起き、またビジネスの競争相手も近隣の同業種だけでなく、遠く離れた会社とも競合しなければならない時代になり、成果をあげることが難しくなってきました。
  • パワハラ防止法
    パワハラ防止法が中小企業でも施行され、インターネットやテレビニュースで取り上げられ、ハラスメント、パワハラという言葉が身近になり、インターネットの普及で、労働法や、ハラスメントの情報を一般の労働者でも得やすい時代になりました。
  • 働き方改革によるコミュニケーション不足
    労働時間の上限規制や有給休暇の取得、生産性の向上など業務にゆとりがなくなり、業務以外のコミュニケーションがとりづらくなったと言われています。
  • 勘違い
    ニュースやインターネットを見て、被害者がハラスメントだと思えば、全てハラスメントになると誤解している事例も増えてきました。

パワハラによる会社への悪影響

パワハラが発生すると、法的な問題だけでなく、会社の売上や利益、採用、定着にも悪影響があると言われています。

  • 職場環境の悪化による生産性の低下
  • (加害者・被害者・その他社員)の退職者の増加による人材不足
  • 管理職がパワハラでの訴えにおびえ、マネジメント放棄する。
  • SNS、裁判、ニュースになることで企業イメージの低下と採用コストの増加

パワハラ予防・発生のための会社の対応

しばらく様子を見るなど、放置をすることが最悪の結果を招きます。
しっかりと対応し、健全な職場づくりを目指すことが求められます。

1.被害者の話を聞き、事実確認を行います。
いつ発生したのか?(出来る限り特定)
どこで発生したのか?
行為者は誰か?
ハラスメント行為の内容(出来る限り詳細に)
ハラスメント行為の期間や回数
ハラスメント行為に至るまでの経緯
ハラスメント行為者の日頃の言動
同様な被害にあっていると思われる人の有無
何を、どのようにしたのか?を丁寧に聞き取ります。

言った言わないにならないよう、被害者1人に対し、事実確認を行うのは2人が望ましいです。

事実確認の際によくある問題として、誰が悪いという調査をしてしまうことがあります。
あくまでも事実確認であって、調査ではありません。
感情や意見、判断を捨てて、事実の確認に努めてください。

2.行為者の話を聞き、事実確認を行います。
「労働環境調査をしている」などの事由で話を聞き始めます。
まだハラスメントの有無も明らかでない中で加害者のような扱いをすることで、問題が大きくなったり、仮にハラスメントが事実であったとしても、当然本人はそれを認めないことが少なくないためです。

最終的に事実確認をしたい内容は、1の内容です。

3.第三者の話を聞きます。
2と同様「労働環境調査をしている」などの事由で話を聞き始めます。

1から3の話を基に、再度、被害者の話を聞きます。
・関係者全体の話を聞き、より詳しく確認が必要だと思われること。
・話の矛盾点の確認などを行います。

4.1から4の話を基に、再度、行為者の話を聞きます。

5.懲戒委員会にかけ、ハラスメントの有無、懲戒の有無を決定します。

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