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就業規則がない場合の会社のリスクやトラブル事例を解説

就業規則
松林 大樹コステム社会保険労務士事務所 代表

社会保険労務士・ PHP研究所認定チームコーチ。厚生労働省や都道府県等のホワイト企業認定マーク取得、㈱ワーク・ライフバランス認定「働き方見直しコンサルティング」、クラウド勤怠管理システム導入など採用力・定着力向上のための働きやすい職場環境づくりを支援している。講演実績としてアサヒビール(株)、コクヨ(株)、(株)デンソーセールス、農林水産省など。石川県金沢市のコステム社会保険労務士事務所の代表を務める。 プロフィールはこちら https://www.costem-sr.jp/about/profile

企業は、就業規則を作成することで、労働者の働き方を明確に示し、働く環境を改善することが可能です。
しかし、就業規則がない会社は、労働者との関係性を安定させることが困難になり、トラブルを引き起こす可能性もあります。
本記事では、就業規則のない会社のリスクやトラブル事例を解説し、就業規則に記載すべき内容や厚生労働省の就業規則ひな型を利用する際の注意点などをご紹介します。
就業規則の作成を検討している企業のために、有益な情報となるはずです。
ぜひご一読ください。

就業規則がない会社のデメリット

下記の問題が発生する可能性があります。
①問題社員の言動に対して、懲戒処分を適用できない。
 結果、会社の社風が乱れる。

②社員が病気になり、働けなくなった時の休職が適用できない。

③入社や退職の手続きが進まない。必要書類が何かわからない。

④解雇できない。

⑤秘密情報の保持が出来ない。

⑥労働基準法違反
 労働基準法では常時10人以上労働者を雇用している事業所に、就業規則の作成の義務があります。

就業規則に記載すべき内容

就業規則は、会社のルールでありますが、法律で必ず記載しなくてはいけない項目があります。

絶対的記載事項…ルールが会社にある、ない関わらず、必ず記載が必要な事項

①労働時間に関する事項。始業時刻、終業時刻、休憩時間、休日、休暇並びに二組以上に分けて交代で就業させる場合において就業時転換に関する事項
②賃金に関する事項。賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切及び支払の時期、昇給に関する事項
③退職、解雇に関する事項(退職金を除く)
相対的記載事項…ルールが会社にある場合には、必ず記載が必要な事項。ルールがない場合は、記載しなくてもいい。

①退職手当(退職金)に関する事項
②臨時の賃金(賞与)、最低賃金額に関する事項
③食費、作業用品などの負担に関する事項
④安全衛生に関する事項
⑤職業訓練に関する事項
⑥災害補償(労災事故)、業務外の傷病扶助に関する事項
⑦表彰、制裁に関する事項
⑧その他全ての労働者に適用される事項

厚生労働省の就業規則ひな型を利用する際の注意点

厚生労働省のホームぺージに、ダウンロードできる就業規則のひな形があります。

☑国が準備しているものである安心感。
☑無料であること。から、利用している企業も少なくないと感じています。
一方、当然ですが、ひな形を十分に確認せず、実際の会社のルールと異なるひな形の就業規則を利用したことで、トラブルになるケースも少なくありません。
☑労働時間の制度が異なっていて、未払残業が発生している。
☑懲戒のルールが異なっていて、問題社員を解雇できない。
☑書式が就業規則と異なっていて、労働条件通知書が無効。
☑遅刻、早退のルールが異なっていて、従業員の相談に回答できない。
☑出向や配置転換が出来ない。
☑正社員以外の、パートアルバイトが正社員と異なったルールなのに、規程がない。 など

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